はじめに
キャリアリテイリングの考える「効果的な研修」とは、
「研修前後で参加者に変化があり、日常業務が恒常的に改善されること」です。
この記事では、効果的な研修を行うためのノウハウお伝えしていきます。
目次
-ラーニングピラミッド理論とは?
-企業研修に置き換えると?
-1.自分事化させる
-2.参加者が興味を持てる事例
-3.ワーク/ディスカッション
-4.実演・ファシリテーション能力の高い講師を使う
ラーニングピラミッド理論
ラーニングピラミッド理論とは?
ラーニングピラミッド理論とは、学習方法と学習定着率の関係をピラミッド型で表した理論です。
National Training Laboratories(アメリカ国立訓練研究所 (NTL))の研究によるもので、研修設計をする上で欠かせない考え方となります。
ラーニングピラミッドでは、以下のように7段階で学習方法と学習定着率を表現しています。
ピラミッドの下にいくような方法で学習を行っていくことで、学習定着率が100%に近づいていきます。
例えば、ラーニングピラミッドによると、講師からの一方的な講義では、学習定着率は5%ほどとされています。
研修作りにおいて、受講者に学習を定着させるためには、ラーニングピラミッドの学習定着率を考慮に入れることが求められます。
企業研修に置き換えると?
企業研修においては、それぞれ以下のような項目として考えることができます。
講義(5%) 集合研修やミーティング時の講師からの一方的な説明のみの講義
読書(10%) 課題図書や参考書の読み込み
視聴覚(20%) 動画コンテンツの視聴
実演を見る(30%) 講師による実演/現場の実践動画
グループで議論する(50%) グループワーク、グループディスカッション
体験する(75%) 現場に戻ってからの実践/フィールドワーク
他人に教える(100%) 現場で他のメンバーに教育する
この流れを上手く研修に組み込んでいきましょう。
効果的な研修の鉄則
1.自分事化させる
ラーニングピラミッドによる学習定着のコツを紹介しましたが、そもそも受講者本人が学ぶ気がなければ効果を発揮することはありません。
事前課題、テスト、上司のサポートなどを駆使して「研修で学ぶ意欲」を高めましょう。
また、「発言」の機会を増やすことも効果的です。
講義が1節進むごとに、「質問はありますか?」と尋ねます。当然最初はなかなか出てきません。
序盤は、質問がなければ「感想」や「現場でどのように使えるか?」などを答えさせましょう。
答える内容が薄くても構いません。発言の機会を増やすことが重要です。
2.参加者が興味を持てる事例
講義内容の作成において、具体例の選別は参加者の学習定着にとって欠かせません。
参加者の日常業務において実感の沸かない他社の事例や、業種の違う講師本人の体験談では、「そうは言っても私の現場では状況が違うしな、、、」と思ってしまうこともあります。
参加者にとって身近な事例を挙げることで、現場に戻ってからの実践に繋がりやすくなります。
学習定着率を上げるために、講義で学ぶ理論やスキルが「現場でどのように活用できるのか」をイメージしやすくすることが求められます。
3.ワーク/ディスカッション
ワークやディスカッションを取り入れましょう。
1章に1つワークを取り入れ、時間配分としては全体の7割程度をワークに充てることを推奨しています。
【エビングハウスの忘却曲線】では、1時間で50%を忘れ、24時間で70%を忘れ、1週間後には90%を忘れてしまうと言います。
講義で理論を聞くだけでは、余程集中して話を聞いた上で自ら実践や復習を行う優秀な方でなければ、1週間後にはほとんど覚えていません。現場で活かすまでもなく忘れてしまいます。
講義で聞いただけの理論を現場で活用できるのは、参加者全体の2割程度です。(2:6:2の法則)
4.実演・ファシリテーション能力の高い講師を使う
説明が上手いだけでなく、実演やグループワークの進行(ファシリテーション)が上手い講師を選びましょう。
自身が講師になる場合は、説明の練習だけでなく、実際に数名の協力のもとにワークを実施し、難易度の確認と進行についても練習しておきましょう。
また、各グループにリーダー的振る舞いができる方を入れるように参加者の座席配置を考えることも有効です。
おわりに
研修効果を高めるためには、講義の内容の精査だけでなく、実演やグループワーク、グループディスカッション、ロールプレイングを盛り込むことが必須と言えます。
本記事では研修構成に着目していますが、研修前後についての取り組みも必要となります。
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