top of page

職場の働きがいを考える、ハーズバーグの二要因性理論




はじめに

  • 労働環境を整えて働きやすい職場のはずが、スタッフのモチベーションが上がらない。

  • 労働条件を改善して、残業を減らして時給も上げたのに、ES(従業員満足度)が上がらない。

 どうしてなのでしょうか? もしかすると、足りない視点があるかもしれません。

 仕事の満足度向上は、不満足を取り除くだけでは、満足度の向上には繋がらないのです。


 この記事では、職場の従業員満足度向上についての基本構造を紹介します!




目次

 

 -ハーズバーグの二要因性理論(動機付け・衛生理論)とは

 -動機付け要因(満足を引き起こす要因)とは?

 -衛生要因(不満足を引き起こす要因)とは?


 -それぞれの側面から対策をしよう

 -まずは、衛生要因(不満足を引き起こす要因)の見直しから

 -次に、動機付け要因(満足を引き起こす要因)を高める人材育成


 -衛生要因チェック

 -動機付け要因チェック


 



ハーズバーグの二要因性理論

(動機付け・衛生理論)

 

ハーズバーグの二要因性理論(動機付け・衛生理論)とは

 

 ハーズバーグの二要因性理論(動機付け・衛生理論)とは、人が仕事をする中で「満足」と「不満足」を引き起こす要因は、それぞれ異なるものであるとする考え方です。


 アメリカの臨床心理学者、フレデリック・ハーズバーグ(Frederick Herzberg、1923年4月18日 - 2000年1月19日)によって提唱されました。



満足を引き起こす要因を「動機付け要因」、

反対に不満足を引き起こす要因を「衛生要因」と、言います。



 

動機付け要因(満足を引き起こす要因)とは?

 
  • 達成

  • 承認

  • 仕事そのもの

  • 責任

  • 昇進

  • 成長

 これらの要因は、仕事をする中で、満足を引き起こす「動機付け要因」とされています。


 例えば、部下のモチベーションを上げるために目標を与えたり、承認したり、成長を感じさせることは、その職場で働くことに対して満足感を与えることができます。


 一方で、仮にこれらの動機付け要因が不足したとしても、満足感を与えることができないものの、その職場で働くことが嫌になる(不満足を引き起こす)ことには繋がりません。



 

衛生要因(不満足を引き起こす要因)とは?

 
  • 会社の方針と管理

  • 監督

  • 監督者との関係

  • 労働条件

  • 給与

  • 同僚との関係

  • 個人生活

 これらの要素は、不満足を引き起こす「衛生要因」とされています。


 例えば、労働条件を改善したり労働環境が悪かったりすると、その職場で働くことが嫌になる(不満足を引き起こす)ことに繋がります。

 一方で、仮にこれらの衛生要因を改善したとしても、その職場で働くことが嫌ではなくすことはできるものの、満足感を与えることには繋がりません。




職場での活かし方

 

それぞれの側面から対策をしよう

 

 人事労務を考える上で、「動機付け要因」と「衛生要因」の両方の側面から職場の働き方について考えることが必要となります。


 部下たちから愛されるような素敵な管理職がいても、従業員同士が仲良く楽しく働いていたとしても、給料が低かったり求めるワークライフバランスと合わなかったりするようであれば、退職を防ぐことは難しいです。


 逆に給料が良くて、ワークライフバランスが取れている場合でも、成長が感じられなければ優秀な従業員が成長を求めて辞めてしまうのです。


 「動機付け要因」と「衛生要因」のそれぞれの側面から、会社の制度や人材育成について考えることで、従業員満足度を真に高めていくことができます。



 

まずは、衛生要因(不満足を引き起こす要因)の見直しから

 

 まずは、人事労務の管理体制を見直しましょう。

 具体的には、

  • 残業の削減

  • 労働条件の改善

  • 評価制度の見直し など


 今や転職が当たり前の令和の時代に、最低限従業員の不満を溜めない労働条件・労働環境のベースづくりは急務です。


 物価上昇に伴う賃金上昇や、テレワークやフレックスタイム制などの多様な働き方の制度が生まれてきました。今までは問題なかった社内の仕組みが、現環境では不満の溜まるものに変わっているかもしれません。他社の情報を踏まえて、常に制度の見直しを行いましょう。



 

次に、動機付け要因(満足を引き起こす要因)を高める人材育成

 

 人事労務の管理体制を見直し上で、次に力を入れるべきは「人材育成」です。



 赤枠で囲った項目について、多大な影響を及ぼすのは監督者(上司・リーダー)の存在です。

 管理職やリーダーの、

  • リーダーシップ

  • マネジメント

  • コミュニケーション

 これらのスキルを高めることで、従業員の満足度にも影響が出るということになります。


 部下へ達成感を与えるための目標設定の方法、承認の仕方など、普段職場で上司から教わる機会が少ないので、OFF-JTの研修等での教育が求められます。




ハーズバーグの二要因性理論に基づいて職場環境を見直してみよう

 

衛生要因チェック

 
  1. 思わしくない会社の方針はないか?

  2. 管理・監督のやり方に不満が出ていないか?

  3. 職場環境は整っているか?

  4. 対人関係は良好か?

  5. 労働条件・福利厚生は妥当か?


 

動機付け要因チェック

 
  1. 一人ひとりが仕事にやりがいを見出せているか?

  2. 目標が適正で達成感を味合わせているか?

  3. 適正な評価(昇進)が出来ているか?

  4. 責任範囲を徐々に増やせているか?

  5. 成長を実感させられているか?



まとめ


 ハーズバーグの二要因性理論では、「満足」と「不満足」を引き起こす要因は、それぞれ違うものであるとされています。


 ES(従業員満足度)を高めるために、まずは「衛生要因」に手を打つことで不満足を取り除き、次に「動機付け要因」を与えて満足を引き出しましょう。



Comments


bottom of page